世界史は、膨大な単語を覚える必要のある科目。
だからこそ、自分にあった参考書を見つけて効率的に学習していきたいですよね。
しかし一方で、それぞれの参考書の違いはなかなかわかりづらいのもまた事実です。
そこでこの記事では、私が受験生時代に愛用し、センター試験満点を取ることができた「時代と流れで覚える世界史」について、
- レベル
- 特徴
- 注意すべき点
- おすすめな人
以上の4本立てで、わかりやすく紹介していきます!
- 日々学習に励む現役東大生。
- 受験生時代の世界史はセンター試験満点、2次試験は40点/60点。
- 学びについての情報を、とにかく学習者目線をモットーに発信しています!
「時代と流れで覚える世界史」のレベルは?
「時代と流れで覚える世界史」だけで、どのレベルの大学まで対応できるの?
こんな疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、
一部の難関大学(早慶や一橋など)を志望していて、世界史を得点源にしたい!
という方以外は、この参考書に載っている知識だけで確実に合格レベルまで到達できます。
単語のレベルを図にして示すと、以下のようになります。

「時代と流れで覚える世界史」は、共通テストレベルの単語はほとんど網羅しています。
そのため、使い込めば確実に9割は取れるようになります。
私は受験生時代、単語の暗記にはこの参考書しか使っていなかったのですが、直前の過去問演習で9割を切ることはなく、本番のセンター試験では満点を取ることができました。

満点を取れたのはびっくりしましたが、これはまさしくこの参考書のおかげです。


共通テストが9割取れる実力があれば、ほとんどの大学で世界史を得点源にすることができます。
GMARCHや関関同立レベルでも、十二分に戦える実力なのは間違いありません。
ただ一方で、
一部の難関大学(早慶や一橋など)を志望していて、世界史を得点源にしたい!
という方にとっては、この参考書の知識だけでは足りない部分があるのも事実です。
この参考書で土台を固めたあとに、過去問や一問一答でより細かい知識を覚えていくことで、そういった大学を志望される方でも十分に戦えるようになります。



私が受験した東大は、単語のレベルは共通テストとあまり変わらなかったので、この一冊以外は使う必要はありませんでした。
「時代と流れで覚える世界史」の特徴
ここからは、
「時代と流れで覚える世界史」が他の参考書とどう違うのか?
について、3つのポイントに分けて紹介していきます。
特徴① 知識の定着にこだわり抜いた構成
典型的な一問一答式の用語問題集では細切れの知識しか身につかず,入試問題に十分対応できません。
時代の全体像をふまえて,歴史用語を「流れ」と「場所」の中で覚えることで,初めて知識が定着します。
公式サイトより引用
公式サイトのこの文章に、この参考書ならではの魅力が詰まっています。
- 一問一答の正答率は上がったけど、テストになると点が取れない
- 同地域の縦のつながりはわかってきたけど、同時代の横のつながりはさっぱりわからない
こういった悩みは、世界史学習者の中ではかなりありがちです。



単語の関連づけができるようにならないと、なかなかこの状況から脱することは難しいです。
こういった事態を避けるために、「時代と流れで覚える世界史」は「時代」、「場所」、「流れ」の3つの視点から、単語を関連づけて覚えやすくする工夫が凝らされています。
この参考書の各ページは、以下のようなレイアウトになっています。


左ページの図表で「時代」と「場所」、右ページの文章で「流れ」を確認しながら知識を覚えることで、定着しやすく実際のテストで使える知識を身につけていくことができます。



特に左ページの図表がとてもわかりやすく、かなり理解の助けになりました。
特徴② コンパクトさ
「時代と流れで覚える世界史」は、85項目、170ページで世界史の全範囲の知識を網羅しています。



厚みは1cmほどと、かなり薄い参考書です。
重くないから持ち運びが楽、というメリットもありますが、このコンパクトさの最大のメリットは1周にかかる時間の短さです。
覚える量が膨大な世界史でありがちなのが、
- 1周に時間がかかりすぎて、次見たときにはもう忘れてしまっていた
- テスト前にチェックしようと思ったけど、苦手な範囲を見直すだけで終わってしまった
といったケースです。
「時代と流れで覚える世界史」はムダな表現が少なく、コンパクトにまとめられているので、こういった悩みを解決してくれる参考書といえます。



私は入試前に全範囲の見直しをしたのですが、6〜7時間くらいで終わりとても助けられました。
特徴③ 網羅性の高さ
コンパクトさがウリの参考書!となると、
単語に抜けがあるんじゃないの?
と不安になる方も少なくないでしょう。
しかし、時代と流れで覚える世界史はその点もしっかりカバー。約3000語を掲載しています。



一問一答系の参考書と比べても遜色ないカバー率です。
「時代と流れで覚える世界史」の特徴は3つ!
- 知識の定着にこだわり抜いた構成
- 「時代」「場所」「流れ」の視点で整理されていて、テストで使える知識が身に付く
- コンパクトさ
- 170ページとかなり薄めなので、1周にかかる時間が短い
- 網羅性の高さ
- 約3000語を掲載、一問一答系の参考書に匹敵するカバー率
注意すべき点は?
ここまで、時代と流れで覚える世界史のレベル・特徴について紹介してきました。



受験で世界史を使うすべての受験生におすすめしたいくらいの良書です。
ただ一方で、注意点があることも事実です。
簡潔に言ってしまうと、オールインワンの万能な参考書ではないということです。
具体的に、3つに分けて説明していきます。
注意点① 初めて世界史を学ぶ人向けではない
すでに特徴② コンパクトさでも書きましたが、「時代と流れで覚える世界史」は無駄な表現が削ぎ落とされており、それによる170ページという薄さが魅力です。
しかしその簡潔さは、初学者にとっては逆にデメリットになりかねません。
この参考書の説明だけでは、背景やつながりが理解しきれない部分があるためです。


たとえば、上の画像の右上5行目にある、この文章を取り上げてみましょう。
(前略)その後もギリシアの覇権をめぐる争いが続いたため、市民の多くは没落し、不足した兵力は傭兵で補われた。
Amazonより
この文章を読むと、古代ギリシアでは市民兵が不足し、それを傭兵で補ったんだということはわかります。
ですが、雇った傭兵に戦わせることで、何が変わってしまったのか?までは汲み取ることができません。
市民兵と傭兵の大きな違いは、戦闘に参加する目的にあります。
市民兵は自分の住む場所の保持が目的ですが、傭兵は報酬が目的です。
そのため傭兵は戦意が不安定で統率が難しく、それまでのギリシアの強みであったチームプレーができなくなってしまいました。



こういった背景があったため、この文章の続きにあるようにギリシアはフィリッポス2世によって制圧されてしまうのです。
このように、「時代と流れで覚える世界史」だけだと出来事の背景やつながりの理解がどうしても難しい部分があります。
そのため、初めて世界史を学習するという場合は、この参考書を使う前に通史理解用の参考書を読むことをおすすめします。


注意点② 論述対策は不十分
「時代と流れで覚える世界史」の右側ページの文章は簡潔に情報がまとまっていて、論述に使える表現も多々あります。
しかしこの一冊で論述試験の対策までを行うことはなかなか難しいです。
志望校で論述試験が出題される場合は、この参考書で単語を覚えたあとに教科書を読み、論述に使える表現を学ぶことをおすすめします。


注意点③ 志望校によっては、単語レベルが足りない
すでに「時代と流れで覚える世界史」のレベルは?で書いた通り、早慶や一橋など、この参考書だけでは単語のレベルが不十分な大学もあります。
そういった大学を志望していて、かつ世界史を得点源にしたい場合は、この参考書のあとに過去問や一問一答を行うことをおすすめします。
「時代と流れで覚える世界史」の注意点は3つ!
- 初学者向けではない
- 論述対策は別で行う必要がある
- 志望校によっては、プラスアルファで単語を覚える必要がある
進め方・かかる時間は?
進め方とかかる時間については、別の記事で詳細に解説していますので、ここではその内容を簡潔にお伝えします。
まずかかる時間についてですが、私の場合は、共通テスト9割が安定するレベルに到達するまでに200時間ほどかかりました。



全体を7周、苦手な単語だけをプラスアルファで5〜6周はしていたので、このくらいの時間が必要でした。
1日2時間やるとしても3ヶ月強はかかるボリュームなので、計画的に進めていきましょう。
また、使いはじめのころは覚える場所を限定して進めていくことをおすすめします。
単語量が膨大であり、全部を覚えようとすると負担の大きさから継続が難しくなってしまうためです。



私が実際にどんなことを意識しながら進めていたか?についてはこの記事でかなり詳細に紹介しています。あわせてご覧ください。


おすすめする人
「時代と流れで覚える世界史」が特におすすめなのは以下のような人です。
- 世界史に時間を使っているのに、テストでは点数が伸びない、、と悩んでいる人
- 通史理解用の参考書を読み終わり、次の参考書を探している人
特に、1つ目の「断片的な知識はあるのに点数が伸びない」人は、この参考書を強くおすすめします。
「時代」、「場所」、「流れ」の3つの視点から出来事を整理していくというコンセプトの本なので、自分の持っている知識が整理されスランプを脱出できる可能性が高いです。
逆に、現時点でほかの参考書を使っていて実力アップを実感できている、という人はこの参考書に乗り換える必要はあまりありません。



同じレベルの参考書は基本的に手を広げすぎず、自分に使いやすい1冊をやり込んだほうが短期間で効果が出ます。
まとめ
この記事では、「時代と流れで覚える世界史」について、
- レベル
- 特徴
- 注意すべき点
- おすすめな人
の4本立てで解説してきました。
個人的には、単語暗記用の参考書でこれに勝るものはないと思っているほどの良書です。
確かに使い込むのには時間がかかりますが、その分見返りもとても大きいです。
ぜひ使い込んで、世界史で周りと差をつけられるだけの知識を身につけてくださいね!応援しています。