世界史の定番参考書である「時代と流れで覚える!世界史B用語」。
- 網羅性の高さ
- コンパクトさ
- 流れの中で覚えるというコンセプト
など、とても魅力的な参考書です。
一方で、いざ買ってみたはいいものの、
- 覚える量が膨大すぎて進め方が分からない
- かかる時間の目安が分からないから、計画を立てられない
こんな方も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では時代と流れで覚える世界史を使い込み、受験生時代にセンター試験で満点獲得、東大合格をすることができた私が、
時代と流れで覚える世界史の進め方とかかった時間
について詳しく解説していきます!
皆さんの参考になれば嬉しいです。
- 日々学習に励む現役東大生。
- 受験生時代の世界史はセンター試験満点、2次試験は40点/60点。
- 学びについての情報を、とにかく学習者目線をモットーに発信しています!
到達できたレベル
これから紹介する進め方で、私はセンター試験で100点・東大の2次試験で40点(おそらく合格者平均くらい)を取ることができました。
東大の2次試験のために教科書で表現を学んだり、過去問演習をしたりしましたが、単語の暗記には時代と流れで覚える世界史しか使っていません。
- 時代と流れで覚える世界史だけだと単語のレベルが不安
という方もいるかと思いますが、一部の細かい知識が問われる大学(一橋や、慶應法学部など)以外については、この一冊に載っている知識で十分対応できます。

この参考書のコンセプトやレイアウトが気に入っているのであれば、ぜひとも使ってみることをおすすめします。
何周するべき?かかった時間は?
それでは、時代と流れで覚える世界史を何周したら単語を覚えることができ、それには何時間くらいかかるのでしょうか?
ゴールまでの道のりを事前に知っておき、学習計画を立てることはとても大切です。



無計画な学習は、継続が難しいですし、たとえ続けられたとしても効率が下がってしまいます。
私のケースをひとつの参考に、おおまかな学習計画を立ててみてください。
【私の場合】何周した?かかった時間は?
私が時代と流れに載っている単語をおおかた覚えるのには、7周かかりました。
これにプラスアルファで、苦手な単語だけを重点的に5〜6周していました。



具体的な進め方はのちほど詳しく説明します。
かかった時間としては、200時間くらいだと思います。
1日に2時間やったとしても3ヶ月強かかります。
かなりヘビーなのは間違い無いですが、やりきることができれば世界史を得点源にするための土台は盤石になります。



私の場合は、7周したころにはセンター試験の模試で確実に9割は取れるようになっていました。
あとは実際の試験に合わせた対策を少し行えば、共通テストも2次試験も確実に点数が取れるようになります。



しんどいですが、ここが踏ん張りどころです。
使い方
それでは、ここからは私が実際にどうやって時代と流れで覚える世界史を使っていたのか、についてご紹介します。
前提:1冊目に使うのはNG
まず前提として、世界史学習の1冊目に時代と流れで覚える世界史を使うのはおすすめしません。
というのも、この本は85項目、170ページというコンパクトさで共通テストレベルの単語を網羅している参考書です。
そのため、かなり表現が簡潔であり、完全な初学者がこの本で学習しても出来事のつながりを理解するのはとても難しいです。



まずは通史理解用の参考書で骨組みを作ってから、肉付けのために時代と流れで覚える世界史を使うことをおすすめします。


この本は、ある程度世界史のストーリーを理解している人が、一問一答などでそれを細切れにすることなく流れの中で単語を覚える、ためのものです。
時代と流れで覚える!というこの本のコンセプトは、1から流れを覚えていく!ということではないのでご注意ください。
全体を通しての使い方:どんどん書き込み、カスタマイズしていく
これは1周目の段階から、7周が終わって教科書や問題演習に移った時まで一貫してやってほしいことです。
他の教材を読んだり、問題演習をしたりする中で、重要だと思ったポイントは全部この本に書き込んでいってしまいましょう。
そうすることで、単語を覚えたあとも、この本を模試や入試前に知識を確認するための自分だけの百科事典として使うことができるようになります。
はじめのうちは通史理解用の参考書の中で、あらかた覚えきったあとは教科書や問題演習の中で、新しく学んだ重要な表現やより細かい単語を、どんどんこの本に書き込んでいきましょう。
1周目:覚える場所を限定、通史理解用の参考書やサイトを見ながら進める
- かかる時間 60〜80時間
- 注意点① 完璧を求めない
- 注意点② 流れについての疑問は解消しながら進める
時代と流れで覚える世界史は、それぞれの項目が見開き1ページにまとまっており、左に図表、右に流れを説明する文章が載っています。


覚える箇所としては、左ページの図表の赤文字、右ページの重要用語チェック(数字つきの空欄)、右ページの文章中の赤文字の3つがあります。
はじめのうちは、これらを完璧に覚えようとしなくて大丈夫です。
覚える場所を限定したうえで、全部覚えられなくても次の項目に進んでしまいましょう。



最初から全部覚えようとすると、1周に時間がかかりすぎてしまい挫折してしまうリスクが高まるためです。
8割くらいの単語がいったん頭に入ったら、次の項目に進んでしまって大丈夫です。
覚える場所については、右ページの文章中の赤文字はいったん後回しにするのがおすすめです。
というのも、この部分は比較的頻出事項が少なく、覚える優先順位が低めだからです。
1周目の各項目の進め方は以下のようになります。
ここで、面倒だけどとても大事なのがSTEP2です。
はじめのうちはストーリーの理解がまだあやふやな部分もあると思います。
こういった曖昧な部分はそのままにせず、通史理解用の参考書やサイトを確認して「なぜこうなるのか?」という疑問を解消しながら進めていきましょう。





むりやりの丸暗記は、短期的には覚えられますが、なかなか定着しません。急がば回れと肝に銘じてじっくり進めていきましょう。
1周目は覚える場所を限定していてもかなり時間がかかると思います。
私は1項目あたり45分〜1時間はかかっていました。
骨が折れますが、ここをおろそかにしないことでのちのち楽になりますので、気合いを入れて進めていきましょう。
2〜4周目:まだ覚える場所は限定したうえで、定着させていく
- かかる時間(1周あたり) 20〜30時間
- 注意点① まだ覚える場所は限定したままでOK
- 注意点② 1周し終わったタイミングで、チェックをつけた単語だけ見直す
2〜4周目では、まだ覚える箇所を限定したまま、単語を定着させていきます。



私はページ右側の文章中にある赤文字はまだ覚えようとせずに、他の部分を覚えていくようにしていました。
また、2〜4周目でも、全部の単語を覚えてから次の項目に行こうとしなくて大丈夫です。
各項目の赤文字を9割くらい答えられるようになったら、覚えられなかった単語にチェックしつつ次の項目に行ってしまいましょう。



あとで苦手な単語だけを重点的に復習しやすくするために、チェックはつけておくのがおすすめです。
2〜4周目の進め方は以下のようになります。
ここで大事なのはSTEP4です。
1周が終わったタイミングで、チェックをつけた覚えられていない単語のみを見直していきます。
つまり2周目終わり、3周目終わり、4周目終わりの合計で3回、見直しを行なっていくということです。
人それぞれに覚えやすい単語、覚えづらい単語があると思いますが、どちらの単語も同じ回数だけ目を通すのではなかなか苦手な単語を覚えられるようにはなりません。
苦手な単語に触れる回数を増やすことで、まんべんなく単語が頭に入るようになります。
4周が終わったころには、かなり単語力アップを実感できるようになっていると思います。



共通テストレベルであれば、8割は確実に取れるようになっているはずです。
5周目以降:すべての赤文字を覚えていく
- かかる時間(1周あたり) 10〜15時間
- 注意点① 各項目の単語を100%頭に入れてから、次の項目へ進む
- 注意点② 1周し終わったタイミングで、単語を見直す時間をとる
5周目以降は、いよいよ全ての赤文字を覚えていきます。
1〜4周目までで触れていた単語については、もうかなり覚えていると思いますので、5周目以降はより磨きをかけていく段階です。
また、5周目から覚えていくことになる右側ページの文章中の赤文字は、比較的数が少なめです。
そのため、5周目以降は各項目の単語を100%頭に入れてから次の項目に進むようにしましょう。



100%と聞くとギョッとしてしまうかもしれませんが、すでにかなり単語は定着しているため、そこまで負担には感じないと思います。
進め方は、2〜4周目とほとんど同じです。
5周目以降は、このステップにはほとんど時間はかからないはずです。
次の項目に行くための条件と、1周が終わったタイミングで見直すポイントが変わっただけですね。
7周目が終わったころには、もうほとんどの単語をわかるようになっていると思います。



共通テストレベルであれば、9割は安定、満点も狙えるようになっているはずです。
ここまできたらこの参考書はいったんお役御免です。
教科書を読む、過去問演習をするなど、志望校に合わせた次のステップに進みましょう。
単語を覚えたあとの流れはこの記事で解説しています。あわせてご覧ください。


まとめ
この記事では、「時代と流れで覚える!世界史B用語」の進め方について、
- 1周目
- 2〜4周目
- 5〜7周目
の3つに分けて紹介してきました。
ですが、○周目というのはあくまでも私の場合の数字です。
もともと世界史の予備知識があったり、覚えるのが得意・苦手だったりと、人によって何周するべきかは変わってきます。
○周目という数字はこれが絶対ではないので、自分がどれだけ覚えられているかどうかでこの数字は柔軟に変化させてしまって大丈夫です。



例えば、6周終わったタイミングでほとんどの単語が答えられているのであれば、あえて7周する必要はありません。