- 詳しくパターンプラクティスについて知りたいという人
- パターンプラクティスにおすすめの教材を知りたい人
最近注目されている英語学習法、パターンプラクティス。
「読めるけど書けない、話せない」という方に効果てきめんな学習方法です。

しかし、実践する際にはいくつか注意点があるのもまた事実。
そこでこの記事では、
- パターンプラクティスとは
- デメリット
- メリット
- おすすめな人
- 教材選びのポイント
- おすすめ教材
以上の6本立てで、パターンプラクティスについて徹底解説していきます!
先に載せてしまいますが、パターンプラクティスはこんな人に特におすすめのトレーニングです!





以上に当てはまる!という方はぜひ、じっくり記事を読み進めてみてください。
パターンプラクティスとは
パターンプラクティスとは、
英語の「型」= パターンについて、大量の反復を繰り返すことで定着させる
ことを目的としたトレーニング方法のことです。
ここでのパターンとは、文型(SVO、SVOCなど)から、個々の表現(make O C、Let’s〜など)まで様々な文法事項を含んでいます。
これらのパターンを定着させるために、そのほかの要素を変えながら大量に反復していくのがパターンプラクティスです。



イメージが難しいと思うので、具体例で説明します。
あなたと先生によるトレーニングを思い浮かべてみてください。
定着させたいパターン → make O C
(先生) The news made me happy.
(あなた) The news made me happy.(まずはリピート)
(先生) sad.
(あなた) The news made me sad. (happy→sadに変える)
(先生) question.
(あなた) Did the news made me sad? (平叙文から疑問文に変える)
イメージがつかめたでしょうか?
このようにパターンプラクティスでは、一定のパターンについて、とにかく形を変えながら反復を繰り返していきます。
それによって、文構造の瞬間的な把握・組み立てや、動詞の活用形の変化などを意識的に、自動で行うことができるようになるトレーニングです。
パターンプラクティスの注意点


パターンプラクティスは、「読めるけど、書けない・話せない」という方への高い効果が期待される学習法です。



パターンプラクティスのメリットについては、このあと詳しく説明していきます。
しかし一方で、パターンプラクティスは完璧な学習法というわけではなく、いくつかの注意点があるのもまた事実です。
事前にデメリットを知っておくことはとても大事ですので、まずは3つの注意点から説明していきます。
注意点① 意味が抜け落ちてしまいがち
パターンプラクティスは、その名の通り「型」の習得を目的としています。
しかし、学習者やレッスンそのものが「型」の習得を重視するあまり、単語や文章の意味を軽視してしまう傾向があります。
練習する文章の意味がわかっていないまま続けても、ただパターンプラクティスができるようになるだけで実践的なスキルは身につきません。



これでは本末転倒ですよね。
注意点② 単調で、挫折しやすい
これはパターンプラクティスの具体例を読んだ際に感じた、という方もいるかもしれません。
パターンプラクティスは指示に応じて文章を変化させていく、ということをひたすら反復する必要があります。
さらに必要な学習時間もかなり多いため、多くの方が挫折してしまいがちな勉強法です。



学習モチベーションが高い方でさえ、なかなか継続が難しいメソッドです。
注意点③ 練習文の実用性が低い傾向にある
パターンプラクティスでは、
指示に応じて正しく文章を変えられるか
ということが最も重要視されます。
そのため、練習する文章は不自然なものになりがちで、実際の場面で使えるものかどうかはあまり重視されない傾向にあります。



せっかく反復して覚えた文章がそのまま使えることがない、となると気持ちが萎えてしまいますよね。
パターンプラクティスのメリット


ここまでで、パターンプラクティスの注意点を3つ、紹介してきました。
こんなにデメリットがあるなら、やらなくていいかな、、
こんな風に思われた方もいるかもしれません。
しかし、パターンプラクティスにはデメリットを補ってあまりあるほどのメリットがあります。



特に、「読めるけど、書けない・話せない」というような方にとってはとてもおすすめの学習法です。
ここではパターンプラクティスのメリットを4つ、ご紹介します。
メリット① 「知ってるだけの」知識から「使える」知識に
突然ですが、以下の文章をパッと英語にしてみてください。
彼は、彼女のアイデアを盗んだことを認めた。



5秒考えて難しそうだったら、解答例を見てしまって大丈夫です。
解答例としては以下のようなものがありそうです。
He admitted having stolen her idea.
He admitted that he had stolen her idea.
「文章が作れなかった、、」という方も、文章を見てしまえば、それぞれの単語の意味や、なぜhavingやhad stolenを使うのか?といったことは理解できたのではないでしょうか。
これこそが「知ってるだけ」の知識と「使える」知識のあいだにある差です。
特に日本の学校教育では、とにかく知識量=インプットが重視され、アウトプットは軽視される傾向にありました。
その結果、多くの人は英語を実際に使うのに必要なポテンシャルはあるものの、このようにうまくそれを活かせないという悩みを抱えています。
パターンプラクティスでは、大量の反復練習によって英語の文法事項を内在化させることで、この「知ってるだけ」の知識と「使える」知識の差を埋めることができます。
これによって、スピーキングやライティング能力の飛躍的な向上を期待することができます。
メリット② 短時間で大量の英語に触れることができる
パターンプラクティスの具体例にも書いたように、パターンプラクティスは指示に対して即座に対応する、ということをひたすら繰り返していく学習メソッドです。
そのため、時間あたりに聞く英語の量・発話する英語の量が他の学習法と比べてかなり多いことが特徴であり、これはすなわち、英語の上達スピードの速さを意味しています。



英語に使える時間が限られた、忙しい社会人の方にもとてもおすすめです。
メリット③ 英語らしい発音やリズム感が身につく
パターンプラクティスは、必ず音声を使って学習するトレーニング方法です。
大量の英語を聞き、自分で発話することを繰り返していくうちに、英語に独特の発音(同化や省略など)やリズム感を自然と身につけることができます。
メリット④ 日本語を介さない学習法
例えば、似たような学習法である瞬間英作文は、日本語を見る、もしくは聞いてから英語に変換していくトレーニングです。
しかし、パターンプラクティスでは、日本語を見る・聞くということはほとんどありません。



練習文の意味がわからなかった時に見るくらいです。
日本語は、英語学習ではノイズになりがちです。
その点、パターンプラクティスは英語を英語のイメージのまま理解していくことができるため、大きな魅力となっています。
パターンプラクティスがおすすめな人
冒頭にも載せましたが、もう一度パターンプラクティスをおすすめする人をまとめておきます。


こんな人にとって、パターンプラクティスはベストなトレーニング法であるといえます。
一方で、あまり上記に当てはまらないかな、という方は別の学習法もよくよく比較検討したうえで、パターンプラクティスに挑戦するか決めてみることをおすすめします。



幸い、この世にはたくさんの英語学習法があります。
どれを選ばなければ不正解ということもありませんので、自分が継続できるものをじっくり探してみてくださいね。
教材選びのポイント


ポイント① はじめは簡単なものから
すでに書いたように、パターンプラクティスは「知ってるだけ」の知識から「使える」知識への進化を促す学習法です。
そのため、教材の内容をパラパラと見てみて、
「少し簡単すぎかな?」
と思うくらいの難易度のものを選びましょう。



特に始めたての場合、読んで理解はできても、実際に即座に発話するのは難しいことが多いです。
そもそも知らない単語や難しいフレーズが多すぎる場合、それを覚え、ひとまず「知ってるだけ」の知識にしてから、「使える」知識へと変えなければいけません。
2段階のステップを踏む必要があるため、学習量の多さから挫折しやすく、またパターンプラクティスの本来の目的に集中することができないため、非効率な学習になってしまいます。
ポイント② 日常で使うような練習文が載っているか
教材の内容を見るときは、その難易度だけでなく、練習文の質をよくチェックすることも大切です。
デメリット③でも書いたように、パターンプラクティスの練習文は実用性が考慮されていないことも多く、かなり教材によって質が異なります。
購入する前に内容を確認し、
「あんまり日常の場面で使わなさそう、、」
という文章が多いようであれば、他のものを当たってみましょう。



実用性もバッチリな教材は下で紹介しています。そちらもぜひご覧ください。
ポイント③ 教材の内容が体系的にまとまっているか
パターンプラクティスは、文法事項を定着させ、自動で引き出すことを目的としたトレーニング方法です。
しかし教材の毎回のレッスンで扱われるテーマがバラバラだと、文法事項どうしのつながりがわかりづらく、学習効率が下がってしまいます。
なるべく文法事項を網羅しつつ、それぞれのつながりが見えやすい教材かどうかで、「型」習得に必要な時間は大きく変わってきます。
【厳選】おすすめ教材2選
最後に、パターンプラクティスに適した教材をふたつ、ご紹介していきます。



実際に使ってみたうえで質の高かったものを載せています。
タイプはかなり異なるので、ぜひ比べて検討してみてください。
おすすめ教材① 英語のハノン


英語のハノンは2021年に出版された、比較的新しい書籍です。
3つのレベル(初級、中級、上級)が出版されていて、自分にあったものを選ぶことができるうえ、それとは別でフレーズ編も出版されています。



このフレーズ編と併せて使っていくことで、効果が何倍にも増加します。
フレーズ編では実用性を重視した内容が盛り込まれており、シリーズを通して使っていくことで、パターンプラクティスにありがちな実際のコミュニケーションとの壁を取り払う工夫もなされているのが特徴です。
さらに文法の学び直しも兼ねた参考書でもあり、文法事項が体系的に学びやすくまとめられているのも嬉しいポイントです。
1冊1冊のボリュームはかなり大きいですが、、やりきることができれば確実に力がつくシリーズです。
おすすめ教材② パタプライングリッシュ


パタプライングリッシュは書籍ではなく、英語学習アプリ・サービスです。
上級者向け(TOEIC800点以上の方が対象)であり、内容は難しめですが、ビジネスシーンに特化したパターンプラクティスを集中的に行うことができます。
レッスン構成は、文法事項というよりもビジネスシーンごとにまとめられているのが特徴です。



これはこれでイメージしやすいですが、基本の文法事項が身に付いていない方にとっては少しやりづらさもあるかもしれません。
また、学習カレンダー機能やメルマガ、コンサルサービスなど、継続のための工夫が盛り込まれているのも特徴的です。



パターンプラクティスは継続が難しいので、そこをサポートしてくれるのはかなり大きなポイントです。
買い切りではあるものの、値段が少々張りますが(50000円ほどします)、ビジネスシーンでの英語力を身につけたい方にとってはかなりおすすめのサービスです。


まとめ
パターンプラクティスは、いくつかの注意点があるものの、正しい方法で行えばかなりの効果が期待できる学習方法です。
ぜひパターンプラクティスを実践して、「使える知識」をどんどんつけていきましょう!